あと一歩のところまで辿り着く


[TEST] Miranda V4. Skin Material Test 02 (Mocap by Perfume)

 

Miranda Ver.4 について。

 

御存知の方は御存知であろうが、某大学の研究者 M 氏と一緒になって、この超重量級データの著しい軽量化に向けて作業を進めている。そりゃそうだ、二次曲面による擬似筋肉と骨を 500 個近くも CG 人形のなかに実装したのだから、やたらと重いデータになって当然である。
それをようやく、ゲーム機などでリアルタイムで動かせるまで射程に入った。

上記のムーヴィは MAYA Muscle 版(Fullset)のテスト・レンダリング(プリ・レンダー)であるが、それなりの挙動であり、この尺の描画計算には 1 週間掛かった。

 

はじめて Miranda に着手したのは、もう 13 年前になる。

当時、単発で、ひさしぶりに某メーカーの自動車パンフレットの仕事をしたあと、わたしは個人作品の制作へと入った。特異な症状を抱えてしまったが為に、他者といっしょの職場で仕事をしていても迷惑を掛けるだけだ、と痛感したからだ。だから、実質的な隠遁生活を始め、そのなかで旧知の間柄であった髭狸を師匠と選び、美術の素人からの再スタートを切った。

 

爾来十数年。

ほんとうに紆余曲折の廻り道であった。

正直、その制作過程については反省に次ぐ反省、枚挙に暇がない。

喪ったものも多かった。

だが、ようやく『我が娘』は本格的に生誕しようとしている。

 

ちなみに "Miranda" と聞いて、誰だか分かる人は居るだろうか?

そう、そのとおり、『プロスペローの本』の Miranda である。

自分はあの、沙翁の『テンペスト』の忠実な翻案である豪華絢爛、華美きわまる映画にぞっこんだった。もう三十年近く前、浪人生だった頃の話だ。それから、あのロマンティックな復讐劇の表象するものに憧れて、自分なりのコースを、と CG 作家を目指した。
その道は、早々に絶望をもたらした。

だが、それもまた因果必然・因果応報・自業自得だった。

ちなみに仏教にいう『自業自得』とは『全業全得』といったほうが正しく理解されるだろう。

不運だったな。

それもまた佳し。

 

もう、暇人の手遊びとしてしか作品を制作することもないだろうが、自分はある程度の到達点に近づいていると思う。頂上までいささか距離が残っているが、それもまた致し方ない。いまは他の仕事に傾注せざるを得ないので。

ちょっと前に同期と集まったときに「映画みたいな人生だな。本でも書けば?」と云われたことがある。

作家を目指していた人間が、フィクション以上の波瀾万丈を体験せざるを得なかった。
不思議なものである。

 

 

"Resurrection (Wordless Fact)".

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